開発者の皆さまへ

弊社のセンサーは24GHzのマイクロ波を使用するドップラーセンサーを搭載し、そのドップラー効果による反射波の周波数の高低の変移により、体表に現れるバイタル(脈・呼吸による凹凸)を非接触でセンシングします。この場合呼吸はみぞおちの凹凸、脈は体表の静脈の血管の凹凸の動きが混ざったものを感知しています。

次にその体表の凹凸の変化に含まれる脈・呼吸の成分をセンサー内部で分離します。
使用する24GHzのマイクロ波は金属板、セメント、水以外は透過します。人体は70%水の為、体内には入いらず害はありません。センシング原理の資料を添付します。

センサー出力

分離してから出来ることは3つあります。

    1. 脈・呼吸の参考値(1分間あたりの数値)を出力できます(ウェラブル機器に比べ5~15%高めに出力します)。絶対値としてはアバウトですが、相対値としては昨日と今日、先週と今週とかの比較はできます。最近、椅子の背もたれに装着する引き合いが増えていますが、その場合は精度がもっと上がります。
    2. 体表の動きから脈・呼吸の活動量を分離し、現在値として出力します(32768/min~65536/maxの間)。これは一種の電圧値としてご理解ください。この値をクラウドサーバーに吸い上げてAIで分析し、ビッグデータ化すると色々なバイタルデータの知見を得ることが出来ます(看取り、寝返りの仕方・回数、眠りの質、体表に現れる活動量の時系列の変化、等々)。
    3. 上記、脈・呼吸の現在値に閾値を設定し、有る無しの判定をし、フラグの「1」か「0」として出力できます。
    4. データ取得フローは別紙をご参照下さい。秘密保持契約書を締結頂けると通信仕様書の開示をさせて頂きます。

搭載するドップラーセンサーIPS-154は購入品(ドイツ、Innocent社製)ですが、IとQの2出力仕様となります。 IとQと言う2つの出力ですが、その違いは位相が90°ずれています。理由は人間の両目と同じで、対象からのセンシング精度をあげる為です(IとQの出力の良いとこ取りをします)。 (IPS-154のカタログ、innocent IPS-154で検索可)
https://www.ptm-co.jp/doc/PR_InnoSenT_Standard_Products.pdf

またその単位としては16進デジタル出力(FFFF)となっております。センサーをご購入頂くと添付されている波形表示・パラメータ設定用アプリVR-BBで表される「現在値」で説明しますと、IPS-154のIとQの信号(体動)は16進のデジタル出力(FFFF)となっていますが、それを10進に変換して0~65536で表されます。

IPS-154のIとQ信号はメイン基板で脈と呼吸にフィルタリングされますが、それぞれの信号も0~65536の振れで表されます。ただ実際は脈・呼吸の有る無しのフラグ判定の仕組みをセンサー内に組み込んでいますので、0~32768は上に折り返して合わさった形で32768~65536の間で振れています。 よって32768が電波暗室内のノイズが無い状態を意味し、反対にセンシングした体表の動き(活動量)のピークが65536となります。結局、現在値は体動の運動量の大きさにより32768~65536の間で振れます(一種の電圧値)。

*ご参考*

    • フィルタリング:IPS-154で感知した体表に現れたバイタルの動きからセンサー内で脈と呼吸に分離します。
    • 脈・呼吸の参考値:VR-BBで表される脈・呼吸の波形の1分間の波の数となります。自然界に存在するノイズの影響でウェラブルのセンサーに比べて5~15%高めに出ます。理由としては脈は1分に60回として周波数としては1Hz、呼吸は1分間に15回として周波数としては0.25Hzですが、空気中にその近辺の周波数のノイズがあるとセンサーとしては拾ってしまい、それが誤差となります。
    • 学習値:人がいない状況で自然界のノイズ測定したもの=大体33000~34000位。設置場所が変わったかGAIN調整をした場合に都度当センサーにより再度「学習」して頂く必要があります。
    • 現在値:ライブの状態で対象の方をセンシングしている値。センサーを固定し対象の方に向け(10cm~2.5mの間)、安静状態で脈・呼吸の現在値は50000前後が目安です。それに合わせてGAINを調整してください。GAINを変えたら再度学習をお願いします。(出荷時のデフォルトの状態でも一応動作はします。)
    • 「1」、「0」のフラグ判定:学習値と現在値を比較し、現在値が閾値を下り学習値に近づくと「1」―>「0」に変わり、「無い」と言う判定を出力します。

**以上はセンサー内で完結しております**

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